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子宮筋腫


女性ホルモン(エストラジオール)の影響により、子宮を構成する平滑筋細胞が増大するため筋腫ができるといわれています。30代以上の女性の約30%に筋腫がみつかります。妊娠中はホルモンの影響で急に大きくなることがあります。
 
反対に閉経(みなさんはよく”あがる”と言いますね。日本人の平均は51歳前後です)になり卵巣からの女性ホルモンの分泌が少なくなれば、筋腫は大きくならずに自然と次第に縮小します。閉経後大きくなるものには「肉腫」という悪性のものもあるので注意が必要です。
 
 
子宮筋腫の種類

図1 漿膜下(しょうまくか)筋腫

子宮の外側に”こぶ”のように発育する筋腫です。大きさが新生児頭大に達する場合でも外向きに発育しており、胎児のいる子宮内腔に接していないので発育の障害にはなりません。筋腫は茎を有している場合があり、これがねじれて激しい腹痛を伴うこともあります。
 

図2,3 筋層内(きんそうない)筋腫

子宮の筋肉内にある筋腫です。図2のように発育して大きくなると胎児を圧排することもあります。子宮下部の産道近くにあると分娩進行の妨げにもなります。
これが子宮の内側へ成長してくると、粘膜下筋腫となります。

 
図4 粘膜下(ねんまくか)筋腫

子宮内に向かってポリープ状に発育し、受精卵の着床を妨げるため妊娠率は低いです。
 

 
妊娠中の子宮筋腫の特徴
いずれのタイプの筋腫であれ、妊娠中は大きくなることが多く、また妊娠中は胎児や胎盤への血流が増え筋腫に循環してくる血流が減少します。そのため筋腫が変性をきたし痛みや流産の原因になります。
 
妊娠中の筋腫はなるべく手術はしません。図1のタイプの筋腫が根っこのところでねじれて痛みが激烈な場合に限って手術をすることもあります。妊娠中は筋腫を摘出した部位からの出血が多くなり危険です。帝王切開のついでに筋腫を摘出するということも原則としてしません。
 
大きな筋腫でもなんの症状もないこともあり、また小さい筋腫が痛みの原因になることもあります。初回妊娠時に問題なかった筋腫が、2回目の妊娠時に強い症状をきたすこともあります。
 
筋腫があってもまったく症状をきたさず、出産される方も多くおられます。筋腫が妊娠することで、どの程度のトラブルの原因になるかを予測することは困難です。ご自身の筋腫の状態をよく聞いたうえで、油断はせず、かと言って過度な心配も不要だと思います。